うなぎを美味しく食べる基礎知識
鰻の種類とは?

鰻の種類は23種類

うなぎにはさまざまな種類があり、全部で23種類と言われています。日本で口にするうなぎはニホンウナギかビカーラ種のどちらかになります。「吟醸鰻」を含め、国産(養殖した期間の過半数を日本で過ごしたウナギ)のウナギはほとんどニホンウナギです。一方で中国産ウナギがヨーロッパウナギでしたが、今はヨーロッパウナギが取引禁止となり、二ホンウナギが主流になっていると言われています。ニホンウナギはヨーロッパウナギと比べるとやや細長く、やや淡白な味がすると言われています。

同じ「ウナギ」と名付けられていても、デンキウナギやヤツメウナギは全く違う種で、形が似ているからその名を与えられているということになります。

カニクイとクチボソ?

大正時代の美食家、木下謙次郎は著書の中で、頭の小さなクチボソのうなぎの方が、頭の大きなカニクイよりも美味しいと書いたそうです。これも鰻の種類と呼べるかもしれません。ある研究によると淡水で育つ鰻は成長が遅くて頭の大きなカニクイ型になり、河口近くの汽水域に育つ鰻は成長が早く、頭の小さなクチボソ型になるということのようです。

鰻の語源は?

『万葉集』に、大伴家持の次のような歌があります。

石麻呂に吾れもの申す夏痩せに よしといふものぞ武奈伎(むなぎ)とり食せ

痩せた石麻呂という人に、夏にはうなぎを食べなさいと助言したという内容です。こんな古くからうなぎは夏バテを防ぎ精力を高めると考えられていたのです。ところで当時は鰻のことを「むなぎ」と呼んでいたことがこの万葉仮名で分かりますね。

鰻は青黒い姿に胸側が少し黄色味がかっていることから「胸黄」であるという説や、細長い姿が家の「棟木」に似ているからという説も。この「むなぎ」がのちに「うなぎ」と転じたことは間違いありません。

もっとも江戸落語の世界には、鵜が飲み込むことに難儀する「うなんぎ」だという洒落もあるようです。