健康で美味しいうなぎを育てる技術
えさ 酒米山田錦の米粉や酒粕
自然の状態で鰻は何を食べている?
釣りではミミズやアオイソメといった典型的な釣り餌を使うことも多いようです。何となく泥の生き物を食べているように思われる鰻ですが、実際にはそうではありません。イカやカニ、小魚などを食べるグルメなのです。何でも食べる「悪食」と言われることもありますが、ある研究によると、鰻の胃袋を調べると複数の餌が出てくることは少なく、1種類の餌だけで済ませていることが多いのだそうです。
これは注意が必要です。つまり、鰻のイメージが間違っていて、養殖もそのイメージに従った育て方をしているとしたら与えるものがずれてしまいます。正しい知識に基づいて養殖をすることが大切です。
専門家がそんな間違いをするはずがないのですが、屋外の養殖場ではその管理は難しいのです。池の中のいろいろなものを食べてしまうと味も不安定になります。また、餌の残骸を鰻が食べてしまうと衛生面で問題が発生することもあります。
酒米・山田錦や酒粕を食べることの効果は?
一般的な鰻の養殖では、魚粉にビタミンやミネラルを添加して食べさせています。グルメな鰻には、魚粉だけでは丸々と太ってもらうわけにはいきません。しかし、そのビタミンやミネラルが、サプリメントのような不自然なものでは心配になりますね。
そこで、「よかわ錦うなぎ」では、天然の栄養分として兵庫県三木市の特産品である酒米・山田錦や酒粕を配合しているのです。
なぜ酒関係?と思われるのですが、その秘密は「お酒とは何か」ということになります。お酒とはお米のでんぷんと水を、麹菌と酵母がアルコールに変えることで生まれるものです。そのため、酒米は普通のお米よりでんぷんを多く含み、たんぱく質は少ないので、人の食事には向かないとされますが、お酒造りには最適です。
こうした栄養的な特質を持つ酒米・山田錦や酒粕を配合した飼料で育てた鰻は、臭みがまったくなく、丸々と太った美味しいうなぎになるのです。
「吟醸鰻」は屋内水槽で与えた餌以外のものを鰻が口にすることがありませんし、餌の残骸をしっかりと濾過していますので衛生面で問題が起きることがありません。